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メジャーリーグの試合に引き分けがない?

日本のプロ野球(NPB)では、レギュラーシーズンに引き分けが存在します。試合は9回で終了せず、延長戦に突入することもありますが、2024年時点では最大12回までとルールで定められています。そのため、12回を終えても決着がつかなかった場合、その試合は引き分けとして記録されます。

この引き分けルールは、日本プロ野球の長い歴史の中で、選手の負担を考慮した結果導入されました。試合時間が長くなると、投手の負担が大きくなり、翌日以降の試合にも影響を及ぼすため、無制限に試合を続けることは避けるべきという考え方が根底にあります。また、日本では1年間のリーグ戦を通じての勝率が重視されるため、勝敗数だけではなく引き分け数も成績に影響を与えます。

特にクライマックスシリーズ進出争いや優勝争いでは、引き分けの数がチームの順位を大きく左右することがあります。例えば、勝率が同じチームがあった場合、引き分けの少ないチームが上位に来るケースもあります。そのため、引き分けが戦略的に影響することもあり、シーズン終盤には「引き分けでも良い試合」と「どうしても勝たなければならない試合」が明確に分かれることが特徴です。

一方で、メジャーリーグ(MLB)には引き分けの概念が存在しません。試合は基本的に9回で終了しますが、同点の場合は延長戦に突入し、決着がつくまで続けられます。つまり、メジャーリーグでは「引き分けのない野球」が基本となっており、試合が終わるまで勝負は続くのです。

メジャーリーグで引き分けがない最大の理由は、アメリカのスポーツ文化にあります。メジャースポーツであるアメリカンフットボール(NFL)やバスケットボール(NBA)、アイスホッケー(NHL)でも、基本的には試合が決着するまでプレーが続きます。スポーツにおいて「勝敗を明確につける」ことが重視されるため、野球も同じように引き分けを認めない形になっています。

メジャーリーグでは、試合が長時間に及ぶケースも珍しくありません。延長戦が何回までと決められていないため、極端な例では20回以上にわたる試合も存在します。最長記録としては1984年に行われたシカゴ・ホワイトソックス対ミルウォーキー・ブルワーズの試合で、延長25回、8時間6分にも及ぶ激闘が繰り広げられました。このように、メジャーリーグでは引き分けを避けるために試合が異常に長くなるケースがあるのです。

野球の国際大会においては、引き分けを避けるための独自ルールが採用されています。その代表的なものが「タイブレーク制度」です。例えば、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、延長10回から無死一・二塁の状況で攻撃が始まるルールが適用されています。この方式は、試合を早期に決着させるためのものであり、国際大会特有のルールといえます。

タイブレーク制度の目的は、試合時間の短縮と選手の負担軽減です。特に短期間で複数試合が行われるトーナメント形式の大会では、延長戦が続くと翌日の試合に大きな影響を与えます。そのため、WBCやオリンピックなどの国際大会では、試合が長引かないような仕組みが整えられています。

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